用意するもの

石
印刀(台)
紙やすり
コピー用紙1、2枚
絵皿2種類(パレットでも可)
絵の具の黒と白(黒は墨汁でも可)
面相筆2本(黒用と白用)
油性マジック黄色
朱肉(スタンプ台は用途により可)
印紙か半紙(コピー用紙は用途により可)
とかです。
1.石と印刀を買う
最近は石だけを100円ショップや文房具店で売られてたりしますが、書道専門店が良いかと思います。
袋に入った石は彫り面の確認ができないので、専門店で見せて貰った方が彫りやすいものが入手できます。
印刀も一緒に買って、初めてチャレンジするんです、先生はいません、といえば、時間があればお店の人がだいたいを教えてくれます。意地が悪い方にあたらなければ・・・。印刀の使い方、石の当て方も教えてくれますよ。(商売の一環?)
石の種類もかなりあるので、初心者といえば柔らかくて彫りやすいものを紹介してくれます。
青田(せいでん?)とか、巴林(ぱーりん?)とかいうの。青田は青いてか薄緑の石です。巴林は乳白色に黒点が交ざる綺麗な石なんですが、青田よりは粘りがあって、少しくせ者な感じでした。
お店の人に入荷してる青田の中で、彫り面が彫りやすいものを選んで貰うとよいと思います。
一度彫れば、刀の通らない箇所が分かるので次回からは自分で選べるようになると思いますが・・・うーん、一回は勉強すべきなのか?私はがっつり箱買いしました。(いや、一週間に一度提出する課題があったから、再三買い物に来れない距離だったので)
慣れればちゃんと彫り面にやっかいな箇所があっても力で彫るか、削るかできるので、少々まとめ買いしても最終的には使い切ります。興味が続きさえすれば・・・。
印刀の値段は忘れましたが、1本小さいのがあれば十分です。
石は大きさによりますが、1個100円〜300円ぐらい。そんなに高くないです。
また、形は専門店だとさまざまなので、試してみても良いです。□とか○とか雫形とか・・・。もちろん□を買っておいて○にすることも可能です。(まあ、ちょっと気合いが必要ですけども)
ここで、専門店に一緒においてるかどうかわかりませんが、紙ヤスリを一枚買っておくとよいかと思います。
細かいものがよいです。専門店に置いてる場合は、お勧めを。なければ、ホームセンターで大丈夫。NO.600を使っています。そんなに面積使わないので、小さい欠片?で大丈夫です。1枚あると良い・・・。
それから、専門店だと石を押さえる台を勧められることがあります。こちらはそこそこの金額だったと思いますが、刃物を持つのに慣れない方は、買ってもよいかと思います。彫刻刀を使ったことがないとか、不器用だという方は、是非。
使うとかなり楽です。小さな石から大きな石まで固定してくれて、両手を添える位置まで安定している優れものです。
ちなみに私は買ってません。(器用だからじゃなくて、財力不足でした。興味津々で一つでも多く彫ってみたかったりしました。今からはもういいかなぁと思ってそのまま、石を補充するのみです。)
またゴム印は彫刻刀やカッターで掘れるのですが、彫りづらかったので勧めません。でも、彫り終えて使う時は、石よりはゴムのほうが使いやすいのは確かです。(悩みどころです。書道方面の落款として使うのはゴムは御法度です!(笑))
2.石の用意
石をみて彫る面を決めます。
切り落とされた面のどっちかですけどもね。
端が僅かに丸まってるのが持つ方・・・だったと思います。
私は細かく気にしてません。長い文章を彫る時は側面に彫ったりもしますし(作ったものに参照)、ひどいときは両面彫ったりしますから。(いつの時代の鉛筆・・・げふん・・・)
良い石になると持つところが飾りがついてたりします。カメとかめでたいものが多いですが、それらは高いです。
輪がついてるのもあるんですが、未だにどうやってつくったかが謎。どこも繋いだりしてないんですよ。
脱線はおいといて、どっちか彫る面を決めて、そちらの表面のでこぼこを消します。

机。できればガラステーブルがよいです。木製の場合は加工されているもの。
真っ平らな所で、力を入れずにヤスリで磨きます。

見づらいですが、左上端の一隅が白くなってます。ここが低い・・・ってか薄く欠けてます。
ひたすら擦り擦りとすっていって、真っ平らにします。

このぐらいでOK。
粉が一点に固まって無くて、平らになってます。
準備完了です。
3.写しの用意
石に彫るんですが、鏡文字を書くのも一発勝負というわけにはいかないので、写しを用意します。
転写を2回ほどします。
まずは、コピー用紙に石の大きさを正確に写します。
型どりしたらよいように思いますが、それだと少し大きくなるので、ここは一発で。
書道からの人は下敷きで分かるかと思います。毛氈・・・ともいうのかな?
あの墨字を書く時に敷くやつです。
あの上で、コピー用紙に石を押しつけます。
下敷きがなければ、毛布の上とかフェルト生地の上とかで大丈夫。柔らか過ぎると誤差がでるので、微妙に固いめ・・・下敷きって便利だ。ん〜ぞうきんとかタオルの上でも大丈夫かな。

ぎゅっと(うりうりっと・・・?ん〜独特すぎる?)・・・捺印のときのように押しつけると、石の形にくぼみが出来て、型どりできます。これで原寸大です。
石は正方形に見えても、微妙に違っていたりします。
よくみて、石の持つ方に小さな傷を付けるとかして、分かるようにしておくとベストです。(天か上の側面に傷・・・とかマジックで点とか)
完全な正方形を彫る場合は、この型どりのあと、中に収まるように大きさを取り直して下さい。
型どりの中に入ってれば支障ないです。
4.文字の図案を作る
一発書きは不要です。鏡文字も今は考えません。できあがり図を考えます。
絵皿かパレットに、絵の具の黒と白を用意します。(絵の具の質や種類は問いません。黒は墨汁でもいい)
筆は面相筆でOK。色分けで2本あったほうが良いです。
細かい作業になるので先が割れていないものがベスト。
まずは、さきほど凹みをつけた部分を黒でなぞっておきます。
目安になるのではみ出ないように。その分、内側はぎざぎざでも構いません。
でも、文字を書く前には、必ず内側に枠線を作ります。

これが今回の彫る大きさになります。
この中に配置良く?文字を入れます・・・。(これが難しい・・・てか苦手やった)
篆刻専用の辞典がありますので、正式なものを彫りたい場合は、必ず参照してください。
文字ごとに年代がバラけたりしないように、パソコンで仕様するフォントとはまた違います。調べることは必要です。
2次創作用に少し柔らかいものを彫る場合は、フォントを参照しても支障ないと思います。
・・・・説明が難しい・・・まあ、適当に。(笑)
入れたい文字を決めて、年代的な文字の種類を調べます。
こんな感じというのを鉛筆でメモします。

今回は「兎」の一字なので、文字の種類や年代を合わせる必要はありません。
この中から、直感で選びます。ここは好みで。枠を付けて書いてみるのもいいです。

コレにしよ♪うさぎっぽい、ような気がする。(笑)
決まったら、今度は先ほど作った黒枠の中に筆で書き込みます。
枠線の内側の線を整えて、最初はざくっと!

黒がはんこを押した時に赤で出る部分。
白が白になる部分です。
文字が赤を朱文、文字が白を白文とかいいますが、まあ名称はいいです。
外注を出すときは、必要ですけども、自分で彫る分には見たまんま・・・名称もそのままですけどね。
試行錯誤します。

消しゴムがわりに白を塗り込んで構いません。過程は誰も見ないですから。(笑)
4字入れる場合は、十字枠の目印を余白においたりする方もいらっしゃいます。
ここは何時間かかっても、納得できるまでします。
また、繰り返すと灰色になるので、乾く時間をおいて、白黒ではっきりとが良いです。(うーん、カットっぽい響きだ・・・てか作業としては一緒なのかも)




文字に満足できたら、全体の枠線も考えます。
今回は下枠を太くして、側面と上を薄くしようか・・・と思ってみた。
これも好みと直感で。
こんな感じかな?
厚みは内枠で足し込み、薄さは外を削る方向にもっていきます。
最終的に細いところ、欠けてたりするところが印章にはあるんですが、意図的に作ります。
綺麗なものはこの段階でその傷跡や欠けも書き込みます。
で・・・そこまでこだわらずに、適度に味を出したい場合は・・・、薄いところと厚いところを指定しておいて、あとは掘り終えた後に、刀の真ん中あたり(平らなところ・・・腹?)で軽くコンコンと叩きます。一発勝負ですが、そこそこに味が出てくれます。
厚い部分と薄い部分のパターンは何通りかあります。横と底を厚くするとか、四方全体的に薄いとか、厚いとか・・・。
いろいろなので、そこはお楽しみです。
(彫る段階で、欠けてしまった場合は、場所にもよりますが、変更もありです)
タブーは一点のみ。4つの角を欠けさせるのは駄目です。(多分そんな感じだった)
薄くでもいいので、角は必ず残す方向で。
決定したら、今度はコピーを取るためにきちんと乾かします。
5.石に転写する
先ほど乾かした図案?をコピーします。
トナーのコピーなら大丈夫です。
コンビニのコピーか、プリンターはレーザープリンターならだいたいが大丈夫です。
一枚ぺろりとコピーします。(余白はそのままで。B5もあれば十分です)
複数作る場合は一枚に描いてもいいですし、寄せ集めてコピーでもいいですが、切り取って石に巻き付けますので、少し余白がほしいです。2センチ四方もあれば十分。
道具は、油性マジック(色つき)
私は「マジックインキ」黄色を使ってます。トナーが溶けやすい・・・。
石に転写するためなので、黒以外のわかりやすい色ということで黄色が見やすいです。
油性としていますが、トナーを溶かす成分が入っていれば構いません。
コピーした図案を、石に巻き付けられる余白を残して切り抜きます。
ジャキジャキ・・・適当です。どうせ反故紙だから。力作元原稿は取り置きして下さい!

適度な大きさに切って、石に合わせます。

このとき面をきちんと合わせないと拙いです。原寸で作っているので、ずれると石から文字がはみ出たり、余白ができたりします。
慎重に合わせて、ぴったり巻き付けます。
最後はテープで止めておいたほうがやりやすいです。

ここで一発勝負。手速さが要求されます。
マジックで紙の裏から塗ります。
塗るのは一回で十分。
一通り塗ったらすぐに、上から指で思いっきり押さえつけます。
ぎゅう〜っ。
手が汚れるのと油性分を回避する方は、ティッシュで押さえても構いませんが、マジックを塗ったらすぐです!
塗ったら。

すぐに

マジックがほぼ乾く(気化する?)のと同時に転写終了です。
ちゃんと写ってるのを期待しつつ剥がします。

ここでもし、写っていない場合や、鮮明に写っていない場合(にじんでる。太くなってる)は、やり直します。
コピーを取ってくるところからやり直し。
石は、半端に映った上から黄色のマジックを塗り、素早くティッシュで拭き取ってしまえば支障ないです。




多少・・・(いやすっかり)彫面の全体が黄色くなりますが(インクの色に染まる)、気にしない!
もう一度、コピーして石に合わせて転写します。

写りました。
端が少し欠けていますが支障ないです。
細かく目印が必要なら、少し油性マジックで足してもいいです。

6.彫る
いよいよ彫ります。
が、実はこのシーン、気合いで写真を撮っても参考になりません。
申し訳ない・・・私は左利きです。左利きの方のみ参照ですかね。(筆は書道の影響で右手で持ちますが、刃物は左なのです。あでも白を塗ってるときは、左手で塗ってたかも・・・消しゴムが左だから)


一応の刃の当てる方向の参照にはなるでしょうか?(・・・裏焼きでもするか??)
言葉にするなら、角で彫るんじゃなくて、真ん中(腹のとこ?)で切っていく・・・です。むむ・・・説明じゃない。
切りたい境界線と、刃の腹が合わさって、刃の角は潜ってます。
片側はまっすぐな線で、片側はがたがたになります。
写真でいくと、枠線の際はまっすぐな線で、内側に向かってがたがたになります。
左手で掘って左から右へと腹の部分で彫る・・・って・・・説明にならない・・・(一見にしかずも写真じゃ無理かもよ?)
思い切りの良い彫り方をされる方は、ガリガリとかバリバリっと音がするような感じです。
石が柔らかいせいもあるのかな。
ともかく、片方がまっすぐな線で片方ががたがた線になるので、これを利用して彫るわけです。
細いところも左右から彫ります。
一刀彫はこれを活かした作品で、常に一方向から刃が入っています。左右から彫らずに一方向のみで彫るので、ガタガタの線を味として見せる作品です。(後に紹介しますが、左利きの人はこの一刀彫が厳密にはできません。厳密じゃないのはできます・・・)
黒い部分だけになるようにひたすら彫ります。
ここは手作業なので、個人の速度でどうぞです。一気でもいいですし、分けてもいいです。
石のかけら、砂くずが出ますので、ご注意ください。
私は土間か、窓際で彫ってます。手で持って彫るので、石と印刀だけもって気分次第で移動します。
枠線から彫りました。



わわ・・・欠けた・・・。しかも二箇所も・・・。
左は、刃が滑りました。(ちょいと久しぶりだった)右のは固い部分の、固まりがあったらしく、丸っと欠けました
でも、とりあえず彫りすすめます。枠線なので気にしない・・・。
少し広いところを彫る時は、大きい印刀があれば、使います。



なければ、分割して彫ります。

これで全部かな?
黒い部分だけになったら、終了です。
7.試して修正
試しに朱肉を用意して捺してみます。
印用の紙があればよいですが、なければ半紙で試します。
また、用途が2次的なものであれば、コピー用紙にスタンプで試します。
用途に合わせて選択してください。
今回の「兎」は、はがきと半紙用なので、とりあえずはコピー用紙で試しです。




重たく感じたり、潰れてたりする場合は、少し削ってやります。
このとき、初めて鏡文字を意識するぐらいですかね。
慎重に場所を確認して修正します。
最初の印稿とも並べてみます。
・・・同じにはならないんだな・・・彫り方の性格が出てるのかもしれません。
欠けてしまった場合の修正はちょっと大がかりになるので、できれば潰れてるぐらいでいいかと思います。
(文字の重要な部分が欠けた場合は、ヤスリで削ってしまってやり直したほうが綺麗ですが・・・途中まで削って途中から彫り直すのも・・有りといえば有りです。刀を入れる深さの問題ですが、堀り方が浅めの人は、有効だと思います)
文字全体が太い場合は、転写の時ににじんでしまった可能性もあります。
線のどちら側を削るかは、見比べて判断するしかありませんが、なるようになります。(え?説明じゃない・・・)
修正してみたら捺してみます。


まだもう少し・・・気になる。
全体的にも少し。


訂正が終わったら、イメージに合わせて枠も調節します。
太いところは太く、細いところは細く。
真直線の枠だと味気ないので、細いところは細いなりに変化を付けます。太いところも。
ガリッと彫って調節しても良いです。
刃の滑った枠を調節します。
滑った跡は味としてはいただけないので、周辺を円くしたり、方向を付けたり・・・誤魔化してしまいます(笑)
最後に適当な位置で、コンコンと叩いてやると・・・味も出ます。
力加減と、石の性質が分からないので慎重になりますが、まあ、枠線は多少欠けても支障ないです。


修正と枠線を整えると完成です。
半紙に捺してみる。

はがきに捺してみる。(実はこんな大きさでした・(笑))

最初の印稿と比べると一緒になる・・・ならないな・・・
手彫り感たっぷりです。(笑)
ちょっとばかり上が詰まったかなぁ・・・とかいう感想は、次回の印稿の為にするようにしてますが、これはこれで一つ完成です。
お疲れ様でした。